がん検診は、がんを示す諸症状ない健康と思われる人々に対して行われる医学的検査です。現在の日本人の2人に1人が何らかの癌になり、3人に1人が癌で亡くなっているとされています。遺伝による癌の発症確率は、1割にも満たない5%とされ、運動不足や食事などの生活習慣が原因である癌を発症するのがほとんどです。一般的に癌は、医学の進歩により約50%の癌患者が治癒し、早期発見である程治癒率が高く、治療後の生存率やQOLも高くなります。
がんはある程度の大きさになるまでに少なくとも数年かかかりますが、大きくなるとリンパ節や周囲組織へ浸潤し、症状を自覚する様になります。しかし、癌の症状を自覚してから医師の診察を受けても、既に治療困難な進行がんであるケースも多くあり、特に膵臓がんや肝臓がんなどは手遅れのケースが多くあります。その為、がん検診は、癌の死亡率を下げるのに非常に有効と考えられています。日本のがん検診受診率は、男性の場合、胃がんと肺がん、大腸がんの検診の受診率は30%程度であり、女性においては、胃がんや肺がん、大腸がんに乳がんや子宮がんを含めた受診率でも20%前半と、欧米諸国に比べて非常に低いのが現状です。
特に20才代の子宮頸がん検診受診率11%前後と、経済協力開発機構加盟国30カ国の中で最低水準です。アメリカの子宮頸がんの検診受診率は83%とほとんど女性が受診しています。厚生労働省では、がん検診の受診率を50%以上にする為に様々な対策が行われています。